この記事では、僕が毎日行っているボイストレーニングを紹介します。
これは滑舌のためだけの訓練ではありません。
なお、文筆家である僕が毎日、ボイストレーニングを行う理由については以下の記事をご一読ください。
表情筋ウォームアップ
要素:表情筋の活性化 目的:口周りを大きく動かす)
- 思いっきり笑う
- 口を「ア→イ→ウ→エ→オ」と大きく動かす
舌のストレッチ
舌の柔軟性と筋力。舌の可動域を広げる →「ラ行」「サ行」が明瞭に。
- 前に突き出す 10秒 x 3回
- 上下左右各10秒 x 2回
- 舌回し 左右10周ずつ(ゆっくり)
- 前に突き出す(素早く)(速筋狙い)10回 x 5回
ロングブレス母音
呼気の安定と声帯コントロール感覚を養い「最後まで失速しない声」をつくる基礎訓練。
- 「あーーーー」「いーーーー」「うーーーー」「えーーーー」「おーーーー」
- 1音を 10〜15秒
- 音量一定、最後まで細らせない
破裂音ブレス
「声の推進力」 の訓練。
- 「パ・タ・カ・ラ」を 強く短く
- 息だけを前に飛ばす意識
- 喉で止めない
ハミングから母音
声の響きを前方に集める感覚を養い、抜けの良い通る声へと共鳴ポジションを安定させる訓練。
- ハミングの響きを落とさずに母音を発語する。
- 前歯の裏〜鼻腔に集めて響かせる意識。
- 口を閉じて「んーーー」
- 鼻・上前歯・頬が振動するのを感じる
- そのまま
- 「んーーあ」
- 「んーーい」
- 「んーーう」
- 「んーーえ」
- 「んーーお」
五十音発声
母音・子音の明瞭化の訓練。
あいうえお いうえおあ うえおあい えおあいう おあいうえ
かきくけこ きくけこか くけこかき けこかきく こかきくけ
さしすせそ しすせそさ すせそさし せそさしす そさしすせ
たちつてと ちつてとた つてとたち てとたちつ とたちつて
なにぬねの にぬねのな ぬねのなに ねのなにぬ のなにぬね
はひふへほ ひふへほは ふへほはひ へほはひふ ほはひふへ
まみむめも みむめもま むめもまみ めもまみむ もまみむめ
やいゆえよ いゆえよや ゆえよやい えよやいゆ よやいゆえ
らりるれろ りるれろら るれろらり れろらりる ろらりるれ
わいうえを いうえをわ うえおわい えおわいう をわいうえ
がぎぐげご ぎぐげごが ぐげごがぎ げごがぎぐ ごがぎぐげ
ざじずぜぞ じずぜぞざ ずぜぞざじ ぜぞざじず ぞざじずぜ
だぢづでど ぢづでどだ づでどだぢ でどだぢづ どだぢづで
ばびぶべぼ びぶべぼば ぶべぼばび べぼばびぶ ぼばびぶべ
ぱぴぷぺぽ ぴぷぺぽぱ ぷぺぽぱぴ ぺぽぱぴぷ ぽぱぴぷぺ
拗音(きゃ・しゃ・ちゃ…)
きゃきぃきゅきぇきょ きぃきゅきぇきょきゃ きゅきぇきょきゃきぃ きぇきょきゃきぃきゅ きょきゃきぃきゅきぇ
しゃしぃしゅしぇしょ しぃしゅしぇしょしゃ しゅしぇしょしゃしぃ しぇしょしゃしぃしゅ しょしゃしぃしゅしぇ
ちゃちぃちゅちぇちょ ちぃちゅちぇちょちゃ ちゅちぇちょちゃちぃ ちぇちょちゃちぃちゅ ちょちゃちぃちゅちぇ
にゃにぃにゅにぇにょ にぃにゅにぇにょにゃ にゅにぇにょにゃにぃ にぇにょにゃにぃにゅ にょにゃにぃにゅにぇ
ひゃひぃひゅひぇひょ ひぃひゅひぇひょひゃ ひゅひぇひょひゃひぃ ひぇひょひゃひぃひゅ ひょひゃひぃひゅひぇ
みゃみぃみゅみぇみょ みぃみゅみぇみょみゃ みゅみぇみょみゃみぃ みぇみょみゃみぃみゅ みょみゃみぃみゅみぇ
りゃりぃりゅりぇりょ りぃりゅりぇりょりゃ りゅりぇりょりゃりぃ りぇりょりゃりぃりゅ りょりゃりぃりゅりぇ
早口言葉
実戦レベルの滑舌。
定着を避けるため、僕は毎日順番をシャッフルしています。
生麦生米生卵
お綾や親にお謝り
赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ
バスガス爆発
著作者 手術中
新春シャンソンショー
東京特許許可局、特許局長特許許可
坊主が屏風に上手に坊主の絵を描いたのは屏風が赤かったから
かえるぴょこぴょこ 三ぴょこぴょこ 合わせてぴょこぴょこ 六ぴょこぴょこ
貨客船の旅客と旅客機の旅客
第一著者 第二著者
ぶぐばぐ、ぶぐばぐ、みぶぐばぐ、あわせてぶぐばぐ、むぶぐばぐ
農商務省特許局、日本銀行国庫局、専売特許許可局、東京特許許可局
東京特許許可局長 今日急遽休暇許可拒否
美術室技術室手術室 美術準備室技術準備室手術準備室 美術助手技術助手手術助手
竹垣に竹立てかけたのは竹立てかけたかったから竹立てかけた
母音法
言葉を母音だけで発音する。
発音しづらい言葉があったとき、母音だけで発音してみる。
その後、再度発音すると音がよりはっきりと伝えられる。
こんにちは → おんいいあ
こんばんは → おんあんあ
ありがとうございます → あいあおうおあいあう
拙者親方と申すは、 → えっあおあああおおおうあ
外郎売
ボイストレーニングの定番の「外郎売」。長文を正確に発語するための総合訓練として、外郎売を行っています。
なお「外郎売」のメリットとして、言葉が現代語とはかけ離れているため、感情と構造が分離しやすいことがあげられます。ですので、芝居っ気がある人は、
- イケボ風に発語する
- 「負傷した外郎売」
- 「山師風の外郎売」
など、気分によって演じ分けてみても、創造性が刺激されると感じています。
「外郎売」全文
拙者親方と申すは、お立合の中に御存知のお方もござりましょうが、お江戸を発って二十里上方、相州小田原、一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへおいでなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門、只今は剃髪致して、円斎と名乗りまする。
元朝より大晦日まで、御手に入れまする此の薬は、昔ちんの国の唐人、外郎という人、わが朝へ来たり、帝へ参代の折から、此の薬を深く籠め置き、用ゆる時は一粒ずつ、冠の隙間より取り出す。依って其の名を帝より、「透頂香」と賜る。即文字には、頂、透、香と書いて、「とうちんこう」と申す。
只今は此の薬、殊の外、世上に弘まり、方々に似看板を出し、イヤ、小田原の、灰俵の、さん俵の、炭俵のと色々に申せども、平仮名をもって「ういろう」と記せしは親方円斎ばかり。もしやお立合の内に、熱海か塔の沢へ湯治にお出でなさるるか、又は伊勢参宮の折からは、必ず門違いなされまするな。お登りならば右の方、お下りなれば左側、八方が八つ棟、表が三つ棟玉堂造り、破風には菊に桐の薹の御紋を御赦免あって、系図正しき薬でござる。
イヤ最前より家名の自慢ばかり申しても、御存じない方には、正身の胡椒の丸呑、白川夜船。さらば一粒食べかけて、その気味合をお目にかけましょう。先ず此の薬を、かように一粒舌の上に乗せまして、腹内へ納めますると、イヤどうも云えぬは、胃、心、肺、肝が健やかになりて、薫風咽より来たり、口中微涼を生ずるが如し。魚鳥、茸、麺類の食合せ、其の外、万病速攻あること神の如し。さて、此の薬、第一の奇妙には、舌の廻ることが、銭独楽が裸足で逃げる。ひょっと舌が廻り出すと、矢も楯も堪らぬじゃ。
そりゃそりゃ、そらそりゃ。廻って来たわ、廻って来るわ。アワヤ咽、さたらな舌に、カ牙サ歯音。ハマの二つは唇の軽重、開口爽かに、あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを、一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ。盆豆、盆米、盆牛蒡。摘蓼、摘豆、摘山椒、書写山の社僧正。粉米の生噛、粉米の生噛、こん粉米の小生噛。繻子緋繻子、繻子繻珍。
親も嘉兵衛、子も嘉兵衛、親嘉兵衛子嘉兵衛、子嘉兵衛親嘉兵衛。古栗の木の古切口。雨合羽か番合羽か。貴様の脚絆も皮脚絆、我等が脚絆も皮脚絆。尻皮袴のしっぽころびを、三針針長にちょと縫うて、縫うてちょとぶん出せ、河原撫子、野石竹。野良如来、野良如来、三野良如来に六野良如来。一寸先のお小仏におけつまずきゃるな。細溝にどじょにょろり。京の生鱈、奈良生学鰹、ちょと四、五貫目。
お茶立ちょ、茶立ちょ、ちゃっと立ちょ、茶立ちょ、青竹茶筅でお茶ちゃっと立ちゃ。
来るわ来るわ何が来る、高野の山のおこけら小僧。狸百匹、箸百膳、天目百杯、棒八百本。武具馬具、ぶく、ばぐ、三武具馬具、合わせて武具馬具、六武具馬具。
菊栗、きく、くり、三菊栗、合わせて菊栗、六菊栗。麦、ごみ、むぎ、ごみ、三麦ごみ、合わせて麦、ごみ、六麦ごみ。あの長押の長なぎなたは、誰が長なぎなたぞ。向こうの胡麻殻は荏の胡麻殻か、真胡麻殻か、あれこそ本の真胡麻殻。がらぴい、がらぴい風車。おきゃがれ小法師、おきゃがれ小法師、昨夜もこぼして、又こぼした。
たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、ちりから、ちりから、つったっぽ。たっぽたっぽ、一丁蛸、落ちたら煮て食を。煮ても焼いても食われぬものは、五徳、鉄弓、金熊童子に、石熊、石持、虎熊、虎鱚、中にも東寺の羅生門には、茨木童子が、うで栗五合、掴んでおむしゃる、かの頼光の膝元去らず。
鮒、金柑、椎茸、定めて後段な、蕎麦切、素麺、饂飩か、愚鈍な小新発地。小棚の、小下の、小桶に、こ味噌が、こ有るぞ、小杓子、こ持って、こすくって、こよこせ。
おっと合点だ、心得たんぼの、川崎、神奈川、ほどがや、戸塚は、走って行けば、灸を擦りむく、三里ばかりか、藤沢、平塚、大磯がしや、小磯の宿を七つ起きして、早天早々、相州小田原透頂香、隠れござらぬ、貴賤群衆の花のお江戸の花ういろう。
あれあの花を見てお心をおやわらぎやという。産子、這子に至るまで、この外郎の御評判、御存知ないとは申されまいまいつぶり、角出だせ、棒出だせ、ぼうぼう眉に、臼、杵、擂鉢、ばちばちぐゎらぐゎらぐゎらと、羽目を外して今日御出の、いずれも様に、上げねばならぬ、売らねばならぬと、息せい引っぱり、東方世界の薬の元締、薬師如来も照覧あれと、ホホ敬って、ういろうは、いらっしゃりませぬか。


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